腹式呼吸(ふくしきこきゅう)のメカニズム
発声の鍵と言われる「腹式呼吸(ふくしきこきゅう)」には沢山のメリットがあります。
【腹式呼吸のメリット】
*長いフレーズで話せる
→ たくさん酸素を取り込めるので、息継ぎの回数が減る
*声の響きが良くなる
→ 胴体が広がり、声が共鳴する
*声も見た目も印象アップ
→ 姿勢が良くなり、声の通りがよくなる
→ 姿勢が良くなり、見た目の印象もアップする
「お腹」に空気は入らない?
腹式呼吸と聞くと「お腹を膨らませて息を吸う」というイメージをもつ人が多いかもしれませんが、お腹自体に空気が入るわけではありません。
あくまで空気が入る場所は肺です。
肺は肋骨の下までしかないので、お腹に空気が入るわけではないのです。

じゃあなんでお腹が膨らむの?
その答えのカギは「横隔膜(おうかくまく)」。
「横隔膜」とは、肋骨の下の面にある、薄い膜状の筋肉のことです。
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この「横隔膜を下げながら息を吸うことで、その圧力で内臓が押し出される」
これがお腹が膨らんでいるように見えるメカニズムです。
胸式呼吸(きょうしきこきゅう)じゃダメなの?
普段たくさんの人が無意識に行っている胸式呼吸では、
肺の上部しか使えておらず呼吸が浅い状態です。
一方腹式呼吸は、横隔膜を大きく動かすことで肺全体を使い、より多くの酸素を取り込むことができます。
もし面接やプレゼン等で「なんかあの人素敵!✨」と思ってもらえるためには
腹式呼吸で話したほうが、断然効果抜群なのです。



腹式呼吸は肺も胴体もたくさん膨らむんだね!
腹式呼吸のための姿勢
背骨をまっすぐ伸ばす
よく腹式呼吸の練習で、床に寝転がってお腹を膨らませる方法がありますが
今回は別の方法をご紹介させていただきますね。
まず肩幅に足を開き、リラックスして立ちます。
この時、背骨が地面に対してまっすぐ垂直になっているかどうかを意識してください。
確認する方法として、背中を壁につけて立つとわかりやすいです。
反り腰の人や猫背気味の人は、背中と壁の間に空間ができてしまいます。
*腰の後ろは、背骨の構造的に、手のひらが入る程度の空間はできて問題ありません。
では、背骨をまっすぐにするにはどうすればいいのか?
それは「背骨を上下に引っ張るイメージ」をもつことです。
人間の背骨は多少カーブしているので完全にまっすぐにはならないのですが、
極力上下に引っ張るイメージをもってみてください。
普段の自分の姿勢をチェックする良い機会かと思いますので、
ぜひお家の壁などで試してみてください^^
頭蓋骨を背骨の真上に “乗せる”
先ほど背中を壁につけた時、頭の位置に違和感はありましたか?
普段から頭が前に出てしまっている人は、特に違和感無く感じるはずです。
普段頭が正しい位置(=背骨の真上)にある人は、
壁に頭が押し出されている感じがして、気持ち悪く感じるはずです。
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PCやスマホの操作時間が長いとどうしても頭が前にニュッと出るのは、
いわゆるストレートネックの状態です。
頭の位置が前に出てしまうと、息や声の通り道も曲がってしまいます。
顎を引きすぎず、上げすぎず、背骨の上にまっすぐ頭を“乗せる”イメージです。

普段から頭を背骨の真上に“乗せる”ように意識するといいんだね
肩は斜め後ろに引っ張るイメージ
両肩は壁についていますか?
普段猫背・巻き肩気味の人は、壁から離れていると思います。
この時、真後ろに引くのではなく、斜め下に引っ張るイメージで肩を下げます。
肩が凝り固まっていると動かないので、何度かぐるっと回してから肩を下げてもよいでしょう。
肩が下りると、胸が広がります。
胸が広がると、堂々とした人に見えます。
姿勢の良い状態がキープできると、見た目の印象が各段にアップします。
見た目の印象アップに即効性がある方法です
呼吸してみよう!
横隔膜を意識する
背骨をまっすぐに伸ばせたら、次は横隔膜を意識してみましょう。
「横隔膜」とは、肋骨の下の面にある、薄い膜状の筋肉のことです。
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「横隔膜」という名前から、「膜(まく)」をイメージされるかもしれませんが、
「筋肉」の一種です。
横隔膜は実際に触ることができません。
ですので、「ここにあるな」と意識をして、動かすイメージを持ちましょう。
胴体を「樽」に例えるイメージで吸う
私が普段実践している腹式呼吸は、胴体を「ゴムで出来た樽」であるとイメージしています。
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【吸うときのイメージ】
1. 横隔膜を前後左右&下方向に下げ広げて、
2. 肋骨も前後左右に広げて、
3. 頭から股下までを樽のように広げる
胴体を放射線状に広げ、肺に沢山の空気を送り込む。
これが私が実践している腹式呼吸です。
ちなみに、背中側、骨盤のやや上あたりに手を置いてみてください。
身体が動くようになってくると、後ろにもちゃんと広がるようになりますよ^^
最初は思うように動かず苦戦するかもしれませんが、
電車で立っている時や、椅子に座っている時、気が付いた時にやってみると
だんだん感覚が変わってくると思います。

筋肉だからトレーニングすればちゃんと動くようになるんだね!
脱力するから、勝手に息が吐かれる
吐くときは脱力します。
力を込めて無理やりお腹をひっこめる必要はありません。
脱力することで、風船のように勝手に空気が抜けていく、くらいのイメージで良いです!
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「吐く」というより、脱力した結果「息が出た」くらいがちょうと良いと思います。
たくさん吸うための裏技(割り箸くわえ法)
吸うためにはまず「吐く」ことが大切です。
限界まで息をふーっと吐いて、肺をしぼませてから、ゆっくりと吸っていきましょう。
それでもうまく吸えない時もあると思います。
そこで、私が実践していた裏技を紹介しますね。
【割り箸くわえ法】
1. 割っていない割りばしを2本用意する
2. 左右それぞれの奥歯に縦方向に入れて噛む(キツく嚙まないように注意)
3. そのまま鼻と口両方を使って、ゆっくりと息を吸う
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※ 左右それぞれの奥歯に、この向きに割りばしを入れて、噛んで固定する。
※ たくさん開く人は、太い方(持ち手側)を噛んでもOK!
※ 口腔内や喉を割りばしで突かないよう、十分ご注意ください。
どうでしょう?
普段吸っている時に比べて、首や口腔内が開き、沢山の空気が入ってきませんか?
口腔内と喉の空間が開くので、一気にたくさんの空気が肺に流れ込みます。
この時の感覚を覚えておいて、外して再度やってみると、
前よりもきっと吸いやすくなっているはずです。
まとめ
この記事では、私が実践している腹式呼吸について紹介させていただきました。
最後に記事のおさらいをしておきましょう!
【腹式呼吸のメリット】
*長いフレーズで話せる
→ たくさん酸素を取り込めるので、息継ぎの回数が減る
*声の響きが良くなる
→ 胴体が広がり、声が共鳴する
*声も見た目も印象アップ
→ 姿勢が良くなり、声の通りがよくなる
→ 姿勢が良くなり、見た目の印象もアップする

腹式呼吸はメリットがたくさん!
【姿勢のコツ】
・背骨を上下に引っ張るイメージで、まっすぐ伸ばす
・頭がニュッと前に出ないよう、背骨の真上に”乗せる”
・肩は斜め後ろに引っ張るイメージで、胸を開く
【呼吸のコツ】
・横隔膜を意識する
・胴体をゴムでできた「樽」だとイメージする
・吐く時は力で押し出さず、脱力する
とってもおすすめの話し方のコツですので、
印象アップをしてみたい人はぜひチャレンジしてみてください^^
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